『メインテーマは殺人』&『その裁きは死』

おすすめ本

『カササギ殺人事件』『ヨルガオ殺人事件』で多くの賞を受賞し、今日本でも注目を集めているイギリス作家アンソニー・ホロヴィッツさんにハマり、別シリーズの『メインテーマは殺人』と『その裁きは死』も読みました!

この二作は「ホーソーン・ホロヴィッツシリーズ」呼ばれ、『メインテーマは殺人』がシリーズ1作目、『その裁きは死』がシリーズ2作目となっています。

メインテーマは殺人

このシリーズ最大の特徴として、語り手が著者自身(本の中にも登場人物の一人として著者が出てきます)ということがあり、どんな展開になるのかと楽しみにしながら読んでました。

良かったのは、事件の結末が全部分かっている神様視点からの語りではなく、筆者自身も謎が解けていない状況での文章なので、読者も同じ目線で謎解きを進められるという点。

もうひとつは(こっちがメインな気がしますが)探偵の探偵を筆者と読者でやっていくという点。

今回探偵役となるホーソーンは、作者の知り合いなのですが、その素性は全くと言って良いほど明かされておらず、事件の謎解きと並行して、ホロヴィッツが独自にホーソーンについて調べる描写も多く登場します。

このふたつの要素があるので、カササギやヨルガオの時とは違う意味でのWミステリとなり面白かったです!

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✏︎世界観
著者自身が作中の人物として登場し、まるでノンフィクションのように事件の進行を記述していくスタイルです。

なぜこのようなことをしているかというと、知り合いの元刑事であるホーソーンから、俺が事件を解決するからそれを本にして欲しいと頼まれたことが背景にあります。

✏︎あらすじ
今回スポットが当たる事件は、資産家の老婦人ダイアナが葬儀屋に自分の葬儀の手配を済ませたまさにその日、自宅で絞殺されるという内容。

彼女は自分が殺されることを知っていたのか?その謎を追求していくうちに、ダイアナの息子が有名な俳優であること、10年前に双子の子供を車ではねてしまっていることが明らかとなっていきます、、

この部分がとても巧みで、被害者を殺したのは俳優である息子絡みで恨みを募らせている人なのか?それとも10年前の事件を根に持っていた誰かなのか?といった別の視点から事件の真相を考えさせられます。

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探偵役のホーソーンは、ホームズやポワロばりに頭のキレる探偵なのですが、その素性を徹底的に隠したがる部分があり、事件の謎解きと並行して「ホーソーンとは一体どういう人物なんだろう?」という謎解きも行えるというWミステリを楽しませてもらいました。(後者の謎は本作では完全には解き明かされませんでしたが、、)。

斬新な展開の面白さと、伝統的なミステリの爽快感を味わえるオススメの一冊でした!

個人的になかなか面白いなと思い、続編である「その裁きは死」もすぐさま読み始めました😇

その裁きは死

『メインテーマは殺人』と同じく、語り手が著者自身ということで、読者も同じ目線で謎解きを進められる面白さと、探偵(ホーソーン)の探偵を筆者と読者でやっていくという醍醐味を堪能できました😇

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✏︎世界観

前作の『メインテーマは殺人』と同様にホーソーンとホロヴィッツのペアで新たな事件に挑みます。

ホロヴィッツがホーソーンがどんな人物かの謎解きを裏でこっそりと進めているのは前作と一緒ですね。

✏︎あらすじ
今回スポットが当たるのは、離婚専門の弁護士が殺害された事件。その死に様が、被害者が担当した裁判で敗北した人気作家アンノ・アキラが口走った方法と全く同じだったことから、事件は謎を深めていきます。そして現場の壁にはペンキで乱暴に描かれた数字“182”。

離婚をめぐるゴタゴタに、学生時代の友人模様も合わさって、人間関係が複雑で大変なことになっていきます、、

『メインテーマは殺人』では被害者の家族絡みので怪しい人と、被害者が10年前に起こした交通事故絡みで怪しい人のどちらに犯人がいるんだ?と言った交わらないふたつの視点がありました。

今回も、被害者の弁護士の顧客がらみで怪しい人と、大学時代の友人の中で怪しい人がいるのですが、この二つの集団が、微妙に交わっており、みんな怪しく見えてきてしまいます😇

当然のように私は犯人を当てれませんでした、、

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ラストのどんでん返しと伏線回収が凄すぎて、何が何だかパニックになりそうなくらい楽しめました!

二つの死があったときに、それらは同一人物による犯行なのか、そうでないのか、そもそも殺人なのか、といったいろんな選択肢に思いを巡らせ、じゃあ動機は何か?と考えるのはミステリの醍醐味ですが、本作は著者のアンソニー・ホロヴィッツさんが作中に登場しながら、作者の途中途中での推理も披露してくれるので(間違っている推理もあり)、その考えも一理あるなと吟味したりと2倍楽しめた印象でした😌

このシリーズのテーマである探偵のホーソーンの謎を紐解くことについては、今回はむしろ一段と謎が深まったようで続編が楽しみです。(邦訳はまだですが、ホーソーン&ホロヴィッツシリーズの3作目の洋書が2021年8月に出版されているようです!)

『カササギ殺人事件』も『ヨルガオ殺人事件』もめちゃくちゃ面白かったので、まだ読まれてない方は是非ご一読ください!

殺しへのライン(2022/9/25追記)

ホーソーン・ホロヴィッツシリーズの3作目『殺しへのライン』が2022/9/9に発売されたので、早速読みました!

今回の主体となる殺人事件と並行して、シリーズ3作目ということで徐々に明らかになっていくホーソーンの素性から目が離せませんでした😇

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✏︎世界観
著者自身が作中の人物として登場し、まるでノンフィクションのように事件の進行を記述していくスタイルです。

前作の『その裁きは死』と同様にホーソーンとホロヴィッツのペアで新たな事件に挑みます。

✏︎ストーリー
『メインテーマは殺人』の出版が近づいた著者は、とある島の夫婦からホーソーンと一緒に文芸フェスに出ないかと誘われます。
人前で自分の紹介をするなんていかにも嫌がりそうなホーソーンでしたが、意外にもその誘いを快諾し、二人は他の参加者と一緒にオルダニー島へと足を運びます。
著者が驚くべきことに、フェスの夜に開催されたパーティーで、ホーソーンが警察を辞めたきっかけとなった男の姿を見かけ、ホーソーンの過去に切り込んでいきます。
そして並行するように、フェスの翌日、椅子にくくりつけられた刺殺体が発見され、、

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第二の殺人が突発的すぎたり、登場人物の設定についてちょっと苦しいだろと思うところはありましたが、ホーソーンの過去が少しずつ明るみになりつつあり、著者がそこに対して推理を巡らせているのはとても面白かったです!!

それにしてもホーソーンの事件解決の手腕は凄まじく、今回は特にホーソーンに(推理の面で)置いておかれる著者が際立っていたのも、個人的にはホーソーンの天才性が際立っていて良かったです😇

今後気になる点として、ホーソーンはデレク・アボットを突き落としたのか?殺人を犯す探偵なんて歴史上いたのか?あたりがあるかなと、、

原作の続編は今年発売されているようだったので、また邦訳されるのが楽しみです!

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