ヨルガオ殺人事件

おすすめ本

以前読んで面白かった『カササギ殺人事件』の続編が出版されているということで、気になって手に取った一冊。

『カササギ殺人事件』では、本の中に作家さんが登場し、その登場人物の書いた本の世界に入っていくという二重構造で、ミステリをより楽しませてもらいました。

本作品も上巻と下巻に分かれており、同じように本書の中で別の本の世界が構築されています。

前作では実施あの本のタイトルと、本の中で出てくる本のタイトルが、どちらも『カササギ殺人事件』とパニックになりそうでしたが、今回は前回よりも優しく、本書『ヨルガオ殺人事件』の中で『愚行の代償』という名前の本が出てきます😌

『ヨルガオ殺人事件』の方が、架空の本(愚行の代償)との関連性が強く(事件解決のヒントを『愚行の代償』の中に探しにいくストーリー)、単に謎解きが2倍というよりは、それぞれを対比して読むといった相乗効果があるような気がしたので、個人的には『カササギ殺人事件』よりも面白かったです!

ヨルガオ殺人事件・上

『ヨルガオ殺人事件』の上巻の構成は、前半で現実世界の事件の描写が、後半で『愚行の代償』の一部の描写がされています。

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カササギ殺人事件から2年後。

元編集者のスーザン・ライランドの元へ、当夫婦が訪ねてきます。

8年前、彼らが所有するホテルで殺人事件が起き、犯人は無事逮捕されたにもかかわらず、数日前にある本を読んだ娘セシリーから「8年前の事件の真相を見つけた!」と連絡があったとのこと。

そして連絡してきた直後にセシリーは失踪。

その本というのはスーザンが以前に編集した、著者アラン・コンウェイの名探偵アティカス・ピュント・シリーズ『愚行の代償』でした。

セシリーの捜索を依頼されたスーザンは、捜査の傍ら『愚行の代償』を読み直し、セシリーが見つけたという事件の真相を『愚行の代償』の中に見出そうとしていきます。

上巻は『愚行の代償』の中で名探偵アティカス・ピュントが事件の捜査を始めるところで終わっているので、こちらも下巻の用意が必須となっています、、

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続編ということで、『カササギ殺人事件』に出てきた人物が多く登場し、それだけで盛り上がるのですが、当時事件と関係はない平穏なモブキャラとして登場していると思っていた人たちが、今作では何か怪しい振る舞いをしている描写があったりと、ドキッとするような伏線が以前にも増して多くとてもよかったです!

ヨルガオ殺人事件・下

先ほど触れた通り、『ヨルガオ殺人事件』(著:アンソニー・ホロヴィッツ)の世界と『愚行の代償』(著:アラン・コンウェイ)の世界があり、下巻では『愚行の代償』の後半部分から始まり、その後『ヨルガオ殺人事件』の結末が描かれていきます。

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下巻の冒頭、『愚行の代償』で事件の捜査に乗り出した名探偵アティカス・ピュントは、関係者から話を聞いていく中で、皆がそれぞれ秘密を抱えていることを知ります。

もう本当に全員怪しいです、、

流石に犯人ではないだろうなという人物でも、どこか謎めいた言動をする部分があり、何かしらの秘め事があるのだなと思うと、事件の本筋以外の小さな謎解きも楽しめました!

中盤、『愚行の代償』の部分が終わり、『ヨルガオ殺人事件』の世界に戻ってきます。

『愚行の代償』を読んで8年前の事件の真相に気づいたセシリーとは裏腹に、事件の捜査を依頼されたスーザンは本から事件のヒントを読み解くことができません。

それでも事件の犯人として8年前に逮捕されているステファンとの面会を契機に、点と点が繋がっていき、、

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前作の『カササギ殺人事件』よりも二つの物語を関連づけながら読むことができたので、面白さも増した印象でした!

『カササギ殺人事件』の時もそうだったように、殺人の周りで軽犯罪というか、それぞれの登場人物が抱えている知られたくない秘密が渦巻いていて、そう言った小さな謎解きを『ヨルガオ殺人事件』でも『愚行の代償』でも楽しめます。

謎解きの二段構えという意味では、ミステリを二作読んだのだ気持ちですが、片方からもう一方のヒントを得られるという前提のもと読むのは、また違った体験で面白かったです!

『カササギ殺人事件』と『ヨルガオ殺人事件』はスーザン・ライランドシリーズと呼ばれていて、一旦この2作までが出版されているようです。

どちらも謎解きの編み目が深く細かく、普段以上に頭を使いながら(?)、あれこれ推理を楽しめる読書体験でとても良かったのでアンソニー・ホロヴィッツさんの他のシリーズも読んでみたいと思います!

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