【図解】サラリーマンの確定申告

社会制度

 以前サラリーマン目線で、所得税や控除に関してどのような流れで税金の額が計算されているのかということをまとめました(【図解】税金と控除 〜所得税編)。そこでは、給与所得控除や基礎控除など、自動的に所得から控除分を差し引いてくれるものがある一方で、医療費控除など自分で確定申告をしなければならないものも混在していました。

 今回は、確定申告を行わなければならないサラリーマンが、どのような人なのかをテーマにまとめていきたいと思います。

一般的にはサラリーマンは、確定申告は不要ですがどのような人は注意が必要なのでしょうか。

まず初めに、確定申告や源泉徴収といった用語の整理からしていきたいと思います。

用語の整理

確定申告
 納税者が自分で所得税額を計算して申告、納付すること。確定申告の期間は、基本的には翌年の2月16日から3月15日までの間とされている(2020年度分はCOVID-19の影響で締め切りが4月15日まで延長)。

源泉徴収
 給料を支払う会社が、支払いをする際に一定の方法で所得税を計算して、その金額を給付からあらかじめ差し引くこと。

年末調整
 給与所得から源泉徴収された所得税の精算を、年末において、会社等が本人に代わって行うこと。

 これらをざっくり図示すると次のようになります。

 自営業者は、確定申告という形で、個人で直接国に所得税を納めなくてはなりません。

 一方でサラリーマンは、所得税の納税を、源泉徴収という形で会社が代わりに行ってくれるので、確定申告は基本的には不要です。源泉徴収は、毎月ざっくりこのぐらいだろうという額の所得税を納税しているので、それが正確かどうかを確かめるのが年末に会社が行う年末調整です。

 会社やアルバイト先から年末に受け取る源泉徴収票は、この源泉徴収と年末調整の内容を示したものです。

確定申告が必要なサラリーマン

 では、図中の中央部、斜めのグレー線で書かれているような、確定申告が必要なサラリーマンはどのような人なのでしょうか。

 以上の大きく分けて4つの特徴に該当する方は確定申告を個人で行う必要があります。右下の「給与年収が2000万円を超える人」は、ごく少数かと思いますが「医療費控除」を受ける人や「住宅ローン控除」を受ける人は一定数存在するのではないでしょうか。

 控除に関する確定申告は、行わないと税金を払い過ぎてしまったりと損をすることになってしまいます。それぞれ少し掘り下げていきましょう。

① 各種控除を受ける人

 控除に関する確定申告は、必ずやらなければならないと言うわけではありませんが、やったほうが払う所得税が少なく済むケースです。

 例えば、視力回復のために総額50万円のレーシック手術を受けた場合を考えてみます。特別な保険に入っていなかった場合は、医療費の総額から10万円を引いた額(=40万円)が医療費控除として適用される仕様でした。

 所得税率が20%になる所得金額帯の人で考えると、医療費控除の確定申告を行うことで8万円分の所得税を払わなくて済むことになります。

 確定申告をしないと損する額
(50万円(医療費の総額)10万円× 0.2(所得税率の20%)8万円

 これは日々の節約が無に還るくらいのインパクトがあるのではないでしょうか。それでいて自分で確定申告しない限りは、この8万円も税金として持っていかれてしまうので知らない人には中々シビアな設計となっています。

② 給与・退職以外の所得金額が20万円を超える人

 こちらは控除の時と違い、確定申告をしなければならないケースです。これに関しては、確定申告を行わないと、無申告加算税や延滞税といった増税のペナルティなどが課されます。

 今まではこのケースに当てはまる人も、サラリーマンでは少数だったのかなという印象ですが、昨今の副業推奨の社会情勢や、株式・債券への関心の高まりを考えると「給与・退職所得以外の所得金額が20万円を超える人」も今後増えていくのかなと思います。

 その時に確定申告が必要であり、しなければペナルティが課されるという知識は必ず知っておくべき度と思います。

③ 年末調整がされない人

 「2カ所以上から給与を受け取っている人」や「年収が2000万円を超える人」は、そもそも年末調整がされないため確定申告が必要です。

 年収が2000万円以上の人はごく少数かと思いますが、2カ所以上から給与を受け取っている人は、一定数存在するのではないでしょうか。このケースは、複数の収入を合算して確定申告をする必要があるため、個人で行わなければなりません。

 アルバイトの場合もここに該当することがあります。私も学生時代、アルバイトの収入が源泉徴収されるタイプで、年末調整がされなかったので、個人で確定申告を行いましたが初めてやった時は、書類が分かりにくく苦労した経験があります。

所感

 今でこそオンラインで確定申告を行う「e-Tax」が推奨されていますが、自分が学生時代だった当時はまだ税務署に直接行く人が多い印象でした。確定申告を行う必要がある人に高齢者が多いのも、オンラインでの申告が普及しないことに一役買っているのかもしれません。

 そこまで広くない税務署に、多くのお年寄りが溢れかえりながら、職員の方から書類の記入について説明を受けていた光景を思い出すと、日々複雑になる社会制度は、国民が理解しにくいものになってしまっているなと痛感します。

 制度自体が、漏れがないようにツギハギのような構造になってしまうことは、ある種仕方のない事なのかなとも思います。そうなると誰が見ても分かりやすい申請用紙のフォーマットでカバーするといったことが必要なのでしょうか。

 

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