DNA再起動 -人生を変える最高の食事法-

おすすめ本

はじめに

 皆さんは健康に気を遣っていますでしょうか。私は健康に関する本を読み漁り、食事に関して言えば、在宅勤務を活かして3食自炊をし、野菜と果物を大量に摂取する生活を送っているくらいには健康意識強めなのですが、昨今は健康や食事法に関する本が大量に出回っており、何が正しいのだろうかと悶々としていました。現代の科学では、健康のどの側面を切り取るかで、ある食べ物が「体に良い」とも「体に良くない」とも言えてしまうので、なかなか難しい問題だと思います。

 そんな中で、「自分にあった食べ方をしよう」という本に出会ったときは、確かにそれが一番知りたいなと、とても共感しました。今回ご紹介したいその本は、医学、遺伝学、生物学に精通されており、科学者兼医者であるシャロン・モアレムさんが書かれた「DNA再起動 人生を変える最高の食事法」(2020年)です。

 書籍では良くも悪くも一般論が書かれていることが多いので、本来は自分に合わせて一般論を調節すべきなのですが、細かい栄養価の話ともなると、そんなことは自分にはよくわからないと思えてしまうこともあるのではないでしょうか。本著では、自分に合わせた食事法を診断する簡単なテストが紹介されており、それに合わせた食生活を送ることで健康や若さを獲得できると主張されています。さらに他の本ではあまり見かけない「モノイーティングを避けること」や「最も飲むべきものは烏龍茶である」といった目新しい主張も含まれており学びの多い一冊でした。健康やアンチエイジングに関心のある方は、ぜひご一読ください。

内容

第1のルール 自分の遺伝子に合わせて食べよう

 著者は冒頭で「あらゆる人の状況に配慮した健康法など今までなかった」と記しています。その理由は、「遺伝子の観点から見ると、この広い世界にあなたと全く同じ人は1人としていない。したがって他の人の遺伝子には適切であっても、自分の遺伝子には不適切であることがある」からです。これは経験則としても皆さん納得なのではないでしょうか?高カロリーなものをたくさん食べても全然太らない人や、ちょっと間食をしただけですぐに体重が増えてしまう人。身の回りでもさまざまな体質の方がいらっしゃると思います。これほどまでに異なる体質の人々が、同じ食事法を実践することは、確かに著者の言う通り、理に適っていないのではないでしょうか。ここではまず、自分の遺伝子に合わせた栄養摂取のバランスを知る方法として、炭水化物の摂取量を自分の遺伝子に合わせて最適化できるツールである「クラッカー自己診断テスト」が紹介されています。

 このテストのメカニズムとしては、デンプンを分解するAMY1遺伝子が唾液中に多く含まれている人(表で言うと炭水化物許容摂取カテゴリーが最大限の人)は、炭水化物を多く摂取する準備ができているので、血糖値の急上昇が起こりにくく、肥満にもつながりにくい。一方で問題なのは、AYM1遺伝子のコピー数が少ない(表で言うと炭水化物許容摂取カテゴリーが要制限の人)のに、炭水化物を多く摂取してしまうケースで、血糖値の急上昇が起こることが指摘されています。

 これは私もやってみました。無塩のクラッカーなんてコンビニにもスーパーにも置いていなかったので生のじゃがいもで挑戦してみました。じゃがいもを生で噛むのか、、と抵抗はあったのですが、案の定きつかったです、、本著の手順ではテストを行ったらそのままじゃがいもは飲み込むことになっていますが、とてもできず吐き出してしまいました、、自分もやってみようという方は通販などでちゃんと無塩のクラッカーを探すことをお勧めします。(※Amazonでちゃんと探したら手頃なのがありました)

 結果はというと、じゃがいもを噛み始めてから10秒くらいで味が変わりました。どことなく甘みが湧いてくる印象です。初めは、こんな主観的なテストに信憑性はあるのだろうかと思っていましたが、3回とも同じタイミングで味が変化したこと、私自身がかなりの痩せ型(何を食べても太る気配すらないタイプ)で結果の炭水化物摂取量が最大限であることと整合性がある点などから、参考にはなるのかなと思います。

 茶碗一杯の白米に含まれる炭水化物の量が、50g程度と言われています。炭水化物は主食の米や麺類以外に、野菜等に含まれているので注意は必要ですが、自分のケースだとかなりの量の炭水化物を摂取できることになりました。逆に要制限のケースだと、1日3食と考えるのであれば、1食は主食を抜きにするべきと言うことになります。結構差が出ますね。皆さんもぜひ「クラッカー自己診断テスト」をやって、食生活の参考にしてみてください。

第2のルール エイジングを押し戻そう

 第1のルールでは自分の遺伝子にあった食事法に焦点を当てていましたが、第2のルールでは遺伝子の再起動を引き起こすための具体的なアクションプランについて取り上げます。

結論
 DNAを労われば労るほど長生きできるそのために食事と運動量を調節しよう

 著者は、エイジングの押し戻しが、以下の式で示されるように、A(自分に備わるアンチエイジングシステムを活性化させること)とB(DNAを老化させるダメージを未然に防ぐこと)で構成されるとしています。

A(DNA修復+抗酸化物質)- B(炎症+酸化ストレス)= C(エイジングの押し戻し)

 今回は、具体的な行動プランとして提示されている ①運動(=A) と ②食事(=B) の2つについて紹介したいと思います。

. 運動

 健康のためには運動をしたほうが良いと言うのは、皆さん聞き飽きていると思いますが、問題なのは運動を上手く習慣化できるかどうかだと思います。本著で紹介されている運動プランの最大の特徴は「短時間で良い」ところです。週に5回以上30分のランニングをしてくださいと言われても、継続するのはなかなか骨が折れますが、ここで取り上げるプランは週に6回、3分と15分の運動を3日間ずつやると言うものです。トータルでも1週間で1時間以下だと思えば、習慣にするのは比較的容易ではないでしょうか。以下がその具体的な内容です。

◇ 高強度運動を週に3回、3分間行う

 ここで言う高強度とは、心拍数が最大心拍数の70%以上になることを指しています。自身の最大心拍数は以下の式で計算することができます。

最大心拍数 = 208 -(年齢×0.7)

 例えば30歳の人なら、最大心拍数は187になるので、そこに0.7をかけて、心拍数が131以上になるように運動をするのが良いということになります。本著では高強度運動の例として以下のものが挙げられています。

・HIT(High-Intensity Interval Training)
・HICT(High-Intensity Circuit Training)
・ランニング

◇ 筋力トレーニングを週に3回、15分間行う

・自重トレーニング
 腕立て伏せや懸垂など器具を使わずに自分の体重を使って行うトレーニング
・フリーウエイト
 ダンベルやバーベルを使う支えのないトレーニング
・ピラティス
 インナーマッスルを鍛えるトレーニング
・ヨガ
 「伸ばす・縮める・キープする」に基づくポーズをとり筋肉を刺激するトレーニング

 この2種類の運動を1日おきに行うことが推奨されています。どちらも自宅でできるものが多いことも、嬉しいポイントだと思います。著者はより継続を確かなものにするために、運動のパートナーを見つけて一緒に取り組むことをお勧めしています。

2. 食事

 食事に関しては以下のような食材を積極的に摂取することが推奨されています。ざっくりと言ってしまえば野菜と果物、豆類やナッツ類を中心に食べてくださいということです。あまり細かい品目を覚えようとしても非常に面倒だと思うので、まずは好きなものから取り入れていけばいいのかなと思います。そしてこれらの食品を食べる際のポイントを以下で紹介します。

  ポイント

・DNA酸化促進化合物が生成されるような高温調理(揚げ物やフライパンでの焦げなど)を避ける
 ➡️これはよく言われていますね。揚げ物、とってもおいしいですがなるべく食べる頻度を減らして特別な日の楽しみにしたいところです。

・食後にフルーツかナッツを食べてDNAの酸化ストレスを抑制する
 ➡︎意外にも食後のデザートが推奨されています。フルーツかナッツに加えて週2回までであればダークチョコレート(カカオ含有量がおよそ80%以上のチョコレート)を代わりに食べても良いとされています。身近な製品だと「チョコレート効果」の86%タイプとかですね。私もたまに食べていています。よく目にして食べてきたようなチョコレート製品は、砂糖が大量に入ったものが多いので、「チョコレート効果」は流石に苦いなと感じていましたが意外とすぐ慣れてしまったのでオススメです。

・モノイーティング(単一食品摂取)を避ける
 ➡︎天然の植物にも発癌性物質のような有害な成分が含まれていることがあると言われています。例えばセロリに含まれる「ソラニン」は強力な発癌性物質があり、それは有機栽培であるセロリに多く含まれているそうです。「有機栽培=体に良い」のような単純な話ではないのですね。
 ➡︎このような植物由来の有害物質を避けるための手段として、同じものばかりを食べないことが提案されています。ここで注意したいのが、同じ食材を避けるだけでなく、同じ農地で育ったものも食べ続けないほうが良いと言う点です。同一の食材であっても産地によって栄養価に偏りがあるそうです。なので「さまざまな作物を、さまざまな品種食べよう!」と言うことになります。

第3のルール ウーロン茶を飲もう

 ここではDNA再起動のために飲むべきものとして、烏龍茶が取り上げられています。黒烏龍茶が流行った時期などもありましたが、個人的にはかなり意外で、緑茶や白茶の方が健康効果は高いのかなと思っていました。本著の中でも烏龍茶の研究はまだ広まっておらず、今後ますます理解が深まることが期待されていると言われています。著者が説明する烏龍茶の利点は主に以下の2つです。

食物から摂る脂肪の吸収を抑え、減量を促す効果がある
・腸内フローラを整え、DNAのダメージとなる炎症を防ぐ

 そもそも紅茶や緑茶と烏龍茶の大きな違いは、酸化度とのことです。

 酸化度 : 緑茶(0%)< ウーロン茶(20-80%) < 紅茶(100%)

 緑茶と紅茶を著者がお勧めしていないのは、第1に烏龍茶が体に良いポリフェノールを最も多く含むの飲み物であること、第2に1日に大量の緑茶を飲むと胃の炎症の原因になり、紅茶は砂糖やミルクを入れて飲むスタイルが一般化している点です。また烏龍茶の脂肪吸収抑制はお腹周りに特に効果があるとのことでした。
 烏龍茶を砂糖やミルクを入れず(大半の人はデフォルトで入れないと思いますが)一日に2-4杯飲むことが推奨されています。味の好みなどはあるかと思いますが、食生活の中に野菜を大量に取り入れるよりは、飲み物を烏龍茶に代える方が手軽なのではないでしょうか。

おわりに

 健康に関する本は何冊も読んでいるのですが、それでも新たな気づきの多い一冊だったな、と私は思いました。一番の学びは「モノイーティングを避ける」ということです。普段買い出しをするスーパーは固定だし、さらにはそこで毎回同じような物を買っているスタイルだったので、これは意識して変えようと思います。また色々な産地の食材を食べると言うことは、普通に買い出しをしていると難しいですが、現代は「産直EC」や「ふるさと納税」で普段出会わない食材を手軽に取り入れることができる便利な時代なので、積極的に試しているところです。
 本著では今回紹介した内容以外にも、炭水化物許容摂取量に合わせたレシピが多数紹介されていたり、健康的な食生活を続けるための秘訣(野菜ばっかりでは満足できない人向け)として「うまみ」の取り入れ方など実践的な内容がたくさん盛り込まれています。興味をお持ちいただけましたら是非ご一読ください。

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