地球の未来のために僕が決断したこと

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 2021年8月に、Microsoftの創業者であるビルゲイツが書いた、気候変動に関する本の邦訳版が出版されました。

 地球温暖化をはじめとした気候変動に関しては、楽観論者も悲観論者もいる印象ですが、ビルゲイツは、どちらかというと楽観的に捉えているようです。

 この本自体は、地球温暖化を止めるために、何が必要で、なぜビルゲイツは状況を変えられると思っているのかを、世界中の現状と予測研究や具体的なテクノロジー、政治的なアクションにそって論じているボリューム感のある一冊です。

 以前に「人新世の資本論」という本を紹介した際に、地球温暖化と資本主義の関係について取り上げましたが、この時も気候変動の話題は何かとスケールが大きく、一個人には馴染みの薄い話という印象が拭えなかったかなと思ったりもしています。

人新世の「資本論」
頑張って働いているのに生活が豊かにならないと感じている人へ。「人新世の資本論」を図解しました。

 そんな中、今回の本では、以下のような身近で実践的な内容が記載されていたので一部共有したいと思います。

今回の内容
 環境系のニュースが理解できるようになる
 私たち個人にできることがわかる

1. 環境系のニュースが理解できるようになる

 本著の中でビルゲイツは、環境系のニュースの馴染みにくさとして、スケールが大きく全体を正しく見通せないこと、数字を正しく理解できないことを挙げています。

・温室効果ガスが排出されるプロセス

 例えば、地球温暖化の原因となる温室効果ガスの排出と聞いて、真っ先に思い浮かぶのは何でしょうか?

 ビルゲイツ自身、「電気を使うこと」だったそうですが、下図のように実際は「ものをつくる」プロセスの方が多く、「植物や動物を育てる」といったプロセスにも、多量の温室効果ガスが排出されています。


・数字の判断基準を持つ

 次に環境系のニュースには付き物の何やらよく分からない単位の大きい数字について取り上げたいと思います。

 例えば電力の話が出てきたときに、唐突に20キロWと言われてもそれがどれくらい大きいのかは、なかなかピンとこないと思います。下記は1例ですが、ギガWが出てきたら都市レベルのスケールの話なんだなといった物差しを持っておくのは有効かもしれません。

 ただ電力の単位が分っても、それがどのくらいの温室効果ガス排出につながるのかは、明らかではないので正直覚える必要はないかなと思ってしまいました。

 どちらかというと次の「ニュースを理解するフレームワーク」が最も大切だと感じました。

 このフレームワークでは、地球温暖化の直接的な原因である"温室効果ガス"について、その量の規模感を掴もうというものです。

 ここでは世界の年間総排出量の510億トンがベースとなっています。この数だけは覚えていただきたいです。

 ニュースなどで温室効果ガスの削減数などをみた際には、この510億トンを元にまずは、ニュースで出てきた削減数が今後増えるのか、変わらないのかを考えます。

 そして次にそれが510億トンの1%である5.1億トン以上かどうかを判断します。

 ビルゲイツは、本著の中でこの510億トンを0にすることを目標として掲げているので、1%に満たないものに対して資源を割くよりは、もっと影響力のあるものに資源を割こうと考えているようです。

2. 私たち個人にできること

 次は「では私たちは何ができるのか?」についてです。

 上述したように温室効果ガスの排出は、電気や製造、畜産など多岐にわたる上に個人の活動が霞んでしまうほどスケールの大きな問題です。

 個人個人が節電したり、エコバックを使用するといったことは、意味がないことはないですが、それで満足してはいけないということがすぐに分かると思います(「人新世の資本論」ではその部分を取り上げて「SDGsは大衆のアヘンだ」と強めの記述がされていました)。

 そこでビルゲイツは、よりスケールの大きな施策の意思決定を促す存在として、私たちは行動するべきだと述べています。

 特にビルゲイツは経営者の観点から、二つ目のグリーン購買の部分は企業側も素早く反応して、今後の経営方針に反映するだろうと述べていました。


 地球温暖化の問題は興味ある人は熱心だけど、そうでない人は全く興味がないものの代表として、意見が割れやすいものだと思っていましたが、一般人に環境関連のニュースがピンとこない理由を紐解き、分かるように方針を示しているビルゲイツはさすがだなと感じました。

 また温室効果ガスが何によって排出されているかといった、誤解の生じやすい部分にも突っ込んでいるのがわかりやすくて良かったと思います。

 結局、我々にできる具体的なことは、政治プロセスに参加するとなっているあたりも、現実をちゃんと表していていいなと思いましたし、購買も一種の投票というマインドを持つことの重要性を再確認できたことも有意義だったなと思いました。

 本著は温室効果ガスの様々な排出プロセスに対して、今の技術だとどうなのかといった具体的な内容に多数切り込んでいます。気になった方は是非ご一読ください!

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