ブスのマーケティング戦略

おすすめ本

はじめに

 今回ご紹介する本は、税理士の田村麻美さんが書かれた「ブスのマーケティング戦略」です。

 

 初めて手に取った時は、なかなか攻めたタイトルと表紙だと思いました。ですが一番初めにお伝えしたいのは、著者がこの本にかける 熱意 ”がすごいということです。

 昨今、有名人がとても早いペースで似たような内容の本を数多く出版する光景が見受けられますが、それとは対極的で、著者の人生の全てを詰め込んだかのような一冊となっています。

◆ 著者HP(http://tamuramami.com/)

 タイトルがタイトルだけに、なかなか数多くの人が手に取る本ではないかもしれません。実際、著者も本著の目的を「ブスの幸せな結婚」「ブスの経済的な自立」と定めています。ですが、男性や既婚者出会っても、人生における学びとして得るものは多いと感じました。またある種の自伝のような楽しみ方もできると思います。

 本書では”やるべき作業”が33個提案されています。今回はその中からいくつか掻い摘んで紹介します。本記事を読んでいただき、少しでも興味をお持ちいただけますと幸いです。

内容

自分を商品と考える

作業の方針
 自分の現状を把握し受け入れた上で、アクションプランを考えよう。

作業1:集合写真の自分を見よう
 > 自分を商品と考えたときに、客観的に見て異性が自分を選ぶかどうかを判断する。

作業2:他人と自分の容姿の違いを書き出してみよう
 > 自分という商品を買わない理由を書き出す。

ここでは内面は無視して外見にだけ着目し「見た目の価値」から目を逸らさないこと

作業3:プロダクト解析をする

▼ プロダクト解析
 自分自身を細かく理論的に調べ、本質を明らかにすること(本著では以下の5つの指標を使用)

1. 見た目 > 他人が見て可愛いと思うかどうか
2. 経済力(仕事) > 芸術的才能等も含む
3. 学歴 > 努力の指標
4. 居心地(人柄) > 話しやすさや面白さ、品のよさ
5. 相性(個性) > 相手依存

それぞれを100点満点でスコア化し、

「自分という商品が本質的に提供しているサービスがどんなものであるのか」を認識すると提案されています。

下記は本書に掲載されている著者自身の例です。

セグメンテーションを考える

作業の方針
 市場を絞って、市場に合わせて自身を改良しよう。

 上記で、プロダクト解析の5つ目の「相性(個性)」が相手依存であると述べましたが、この部分について掘り下げます。

▼ セグメンテーション
 居住地・年齢・趣向・行動パターンなど特定の属性ごとのかたまりに分けて市場を細分化すること

 著者は、最初の作業で自分を客観視した結果、イケメンと付き合える可能性はほとんどないと結論づけ、すべての男性のなかで「偏差値の高い男」という一点でターゲットを絞ったと述べています。そして「偏差値の高い男に釣り合うために、自分も勉強をがんばる」という戦略を立ています。

作業4:競合比較

 次に、市場における顧客・自社・競合を考えて、プロダクト解析で指標とした5つの要素のどこで差別化ができるか、つまりどこを伸ばすべきか戦略を練ることを行います。筆者の例で言うと、自分も勉強を頑張り、偏差値の高い高校に進学した結果、学力で周りと差別化できなくなったので、面白さを磨いたそうです。

 まとめると、自分の提供する価値を客観視し、それをベースに市場を見定める。市場の中で差別化を考えてプロダクト解析の5つの要素のうち伸ばす部分を決め、行動する。と言うことになります。

100回の合コンで学ぶ

作業の方針
 場数を踏んで、成功確率を増やすとともに、経験から学ぼう。

作業5:合コンでPDCAを回す

PDCA
生産技術における品質管理などの継続的改善手法。 Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Act(改善)の4段階を繰り返し、業務を継続的に改善する。

PDCA自体はみなさん仕事などで意識されたことはあると思いますが、合コンで厳格に使用していたと言う話を私は初めて聞きました。

"おそらくこれまでの人生で100回近くの合コンに出席したと思う"

と著者は述べています。恐ろしい行動力、、

 ここで印象的なのはデートまで持ち込めたのは、そのうちの10回程度だったと言うこと。この打率1割という数字を知ることで、数回試してうまくいかなかったから行動する気がなくなったと言うパターンを少しでも回避できるのではないのかなと思います。普通は数回行って成果が出なかったら、向いてないのかなと諦めてしましそうですが。

ではその直接的な成果につながらなかった9割をどう生かしていたのかというと、、

"市場調査"

と主に述べています。

→ 自分のニーズがどこにあるのかを知ることで 、セグメンテーションの精度が上がる

本著の中では、実際にどう考えそう振舞ったかなどが具体的に書かれており、1回1回の合コンに対して、PDCAを回して改善していくと言う意識が徹底されています。すごい。

作業6:リーン・スタートアップ

仕上げてから行動するのではなく、行動を通じて仕上げることが重要。
 →これもPDCAのサイクルと通ずるところがあります。

リーン・スタートアップ
・コストをあまりかけずに最低限の製品やサービス、試作品を作って市場に投入
・顧客の反応を見る
・市場の反応をフィードバック

第3章を読んで「総合点をがんばって上げよう!」と思ったあなた。総合点を上げる努力はいいのだが、「総合点をじゅうぶんに上げてから市場に出よう」というのは間違った思考である。(中略)失敗から学ばず、同じ失敗を繰り返し、傷を深くしてはだめだ。

 やはり行動でしてみないと得られない気づきが多いと著者は述べられています。また、期待どおりの結果が得られるかどうかは運の要素も強いと書かれており、行動していく中で、戦略を改善していくことが必要とされています。

行動するのが難しいときは

 ここまで一貫して、行動の重要性がとかれてきました。これに関しては、本著に限らず様々な本で言われていることかと思います。実際この"行動する"が難しいからみんな困っている訳ですが、著者はそんな人に対して2つのアドバイスをしています。

① 本能に言い訳せず素直になる

好かれたいと言いたような俗っぽい欲望をネガティブに捉えず、以下のような気持ちを大切にしよう。

・テレビに出たい
・有名になりたい
・本を出したい
・とにかくモテたい
・武道館でコンサートをしたい

② 目に見える数字や肩書きを獲得して自信をつける

・客観的事実(著者の例で言えば国家資格の税理士)を身につけるとわかりやすく自信がつく。
・さらに実用的な資格は経済的な基盤にもなり、これも自信につながる。

 以上の2つの理由から、やりたいことがまだ見つかっていないと言う人には勉強することを著者はお勧めしています。自信というものは目には見えず抽象的なので、心理状態によっては簡単にぐらついてしまいます。なので目に見えるものとして、揺るがない(小さな)成功体験や肩書きを持つことが大切とのことです。

おわりに

 私が読んでて特に印象的だったのは、アプローチする対象(市場)を綿密に精査して絞るのではなく、数打って、なんなら付き合ってみて判断するマインドでした。やっぱり行動することは、傷つくことも多いので億劫になりがちですが、著者の恐ろしい行動力を見習いたいです。
 著者は上述したセグメンテーションをなんと中学生の時にやっていたそうで、先見の明がすごいと驚かされました。内容としては異性関係に焦点を当てたものでしたが、考え方としては一般的な人間関係や、仕事にも応用できると感じます。興味を持っていただけた方は是非ご一読ください。面白いです。

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