論理や市場調査よりも大切なことは?

おすすめ本

今回共有したいのは、以下の書籍です。

” 世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか ” ー 経営における「アート」と「サイエンス」
                            (著者:山口周 書板発行:2017年7月)

 

私はジャンル問わず本を毎月10冊くらい読むのですが、2020年を振り返って見ると、この書籍はとりわけ印象深く、新たな気づきの多い1冊でした。

アイキャッチ画像に要旨をまとめていますので、お時間無い方はそちらを見ていただけたらと思います。

1. 背景

2. 内容

Ch.1 論理的・理性的な情報処理スキルの限界

#Essence

 ① 多くの人が分析的・論理的な情報処理スキルを身に付けた結果、正解がコモディティ化してしまい、差別化が難しくなった。

 ② 論理や理性で分析できる範疇を超えるほどに、世界は複雑化している。


ビジネスにおける意思決定では「論理と直感」「理性と感性」と言う対照的なモードがある。
現在の一般的な日本人の通念としては、論理と理性がそれぞれ優位だと考えられがちだが、歴史を振り返ると、過去の優れた意思決定の多くは「感性」「直感」に基づいてなされていることが多い。

経営における「アート」「サイエンス」「クラフト(経験)」

Q. バランスが大切なのに「アート」が弱いのはどうして?

アートは根拠が「なんとなく」といったように抽象的になりがちなので、意思決定の理由を説明することができない。説明責任を求められたときに「クラフト型」や「サイエンス型」に負けてしまう。
つまり、組織のトップが「アート型」でないと、うまくパワーバランスが取れない。

Ch.2 巨大な「自己実現欲求の市場」の登場

#Essence

 全地球規模での経済成長による、自己実現欲求市場の台頭により、感性や美意識が重要に。


機能での差異がほとんどなくなってくると、今度はデザインやブランドといった感性に訴える要素が、選択の大きな基準になってきます。つまり「デザインが自分の部屋のインテリアに合う」とか「素材の質感が好き」といった理由が、購入の大きな動機になると言うことです。
求められるのは「何がクールなのか?」ということを外側に探していくような知的態度ではなく、
むしろ「これがクールなのだ」ということを提案していくような創造的態度での経営ということになります 。

製品の外観やテクノロジーは簡単にコピー可能だが、世界観とストーリーはコピーできない。
したがって、顧客の感性を刺激するような “世界観” や “ストーリー” を提供できるかどうかが、競争の焦点になる。
一方で、市場調査をすると、製品の質は調査対象のセンスの平均に収束してしまう。

Ch.3 システムの変化が早すぎる世界

#Essence

 世界の革新スピードに法整備が追いつかない。


日本人の善悪の判断の特徴

私たちの国は社会全体がよって立つような道徳の軸を持っていないわけですから、どうしても行動を規定する軸足は(会社の慣習といった)「狭い世間の掟」にならざるを得ず、それが「恥の文化」を形成することになっています。  

Q.「狭い世間の掟」がおかしいと見抜くには?

① 労働の流動性を上げるなど、異文化体験を持つ。
② 目の前のルールや評価基準を客観視できる「美意識」を持つ。

Ch.4 美のモノサシ(1-3章まとめ)

 1-3章をまとめると以下のような構造になります。

Ch.5 どう「美意識」を鍛えるか?

では、実際に「美意識」を鍛えるには、どんなアクションが用いられているのでしょうか。

3. 所感

 今まで重要だと思っていた、論理的思考やデザイン思考(製品やサービスが自然に使用されているところを観察し、顧客の潜在的なニーズを理解する)だけでは、差別化ができないので、「顧客に好まれるデザイン」ではなく「顧客を魅了するデザイン」を模索していくべきと言う点が、とても新鮮でした。私のような、いちサラリーマンからすると、何ともスケールの大きな話ですね。本著にも書かれていたように、アートは根拠を説明できないから、組織において重用しにくいものというのは本当にネックな部分だと感じました。それがまかり通るためには、この人が言うなら任せてみようとか、この人が失敗しても助けたいし納得できる、といった個人としてのブランドなのかなと、読みながら考えていました。個人としてのブランドは、もちろん汎用的な面(外見や社交性)もありますが、結局は会社等のルールの中で、実績を上げているかどうかと言うことに大きく依存してしまうと思います。会社において若い社員が「美意識」で判断したとして、もしうまくいけば偶然と思われるだろうし、失敗すれば馬鹿だと思われるのかなと。なのでコミュニティのシステムの中で生き、影響力(実績)を蓄えるとともに、自分の感性を軸に据えると言う、なかなかハードな状態が求められるなと感じています。
 自分の「美意識」に自信を持つためにも、自己開示は積極的に行っていかなくてはならないな、というのが、個人的な課題点だと思わされました。今までこのような意見の発信は苦手で、避けてきた方なのですが、それだと見る見る時代に取り残されてしまいそうだなと思い、発信を初めてみました。

以上です。もし興味をお持ち頂けましたら、ぜひご一読ください!

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